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「エミリーにはいつも自分がふしぎな美しい世界の、とても近くにいるように思われた。その世界と彼女自身の間には、ただ一枚の薄いカーテンがかかっているだけだった。が、ときおり、ほんのちょっとの間、ひと吹きの風がそのカーテンをゆらめかせるときなど、彼女は遠くの心惹かれる美しい王国を――むろん、ちらっとではあるが見たような気がしたし、この世のものとは思えぬ音楽の調べを聞いたような思いがした」

​『可愛いエミリー』モンゴメリ著、村岡花子訳

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