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トロントを去ることについて



昨日、バンクーバー行きのチケットを取った。不思議とほっとするというか、よし、これでいい、って感じがする。


本当に色々と迷ったけど、行くことを決めた今、以前より穏やかな気持ちだ。毎日新型ウィルスのニュースを見てるから気分が暗いのは間違いないのだけど。


今日は昼頃に起きた。冷蔵庫にある食材を出発するまでに食べてしまわないといけないから、まず冷凍しておいたほうれん草を解凍。それとホールフーズで以前に買ったすごくおいしいバターをたっぷり使ってオムレツを作り、解凍したブロッコリーを添えて食べた。


その後スーツケースを開いて、パッキングをするための下準備。とはいえ、ドライヤーにしろ、化粧品にしろ、シャンプー類、下着類、タオル類、全部最終日まで使うものなので、今すぐ詰められるものって意外と少ないことに気がつく。こちらで買った50ドルほどの加湿器を送るか、新しく買うかで迷ってる。送るのにいくらかかるんだろう。


そのあとエアカナダからのメールに気がついて、読んでみると座席が変更になりましたとの内容。予約するときに座席指定料を払ったのに勝手に座席を変えるって何?と思って電話したら指定料を引かれた。たかが25ドル、されど25ドル。


そのあとトロントを去ることをまだ伝えてなかった、お世話になった人たちにメッセージを送った。結局バンクーバーに移ることになったけど、トロントに来たことは後悔してない。むしろトロントに来たからバンクーバーへ行く決断ができたのだと思ってる。


9年前はじめて一人で冒険した懐かしい場所にまた訪れてみたかったし、その時のホームステイ先にまた滞在することになるなんて、想像できなかった。


またここに戻ってこれたこと、親切にしてくれたホストファミリーにまた会えたこともすごく嬉しかった。


それに、私のことだから最初からバンクーバーに行ってたら「やっぱりトロントの方がよかったのかなあ」と言い続ける可能性も高かったわけで。


今回の新型ウィルスの件にしろ、今降りかかってきてるのは予想できなかったことばかり。だから毎日不安なうえに出費は増えたけど、トロントで過ごした時間のこともちゃんと覚えていたい。


到着初日、ホテルへ向かうのに利用したタクシーのおじさんがすごく親切だったこと。駅の外に出るととにかく寒くて、急いで身体を押し込んだ座席で流れていくビルや信号の灯をただ見つめたこと。おじさんに今トロントに来たばかりだと言うと、運転中なのにわざわざ振り向いて「ようこそ」と言ってくれて、映画のワンシーンみたいだったこと。


まだ来たばかりで不安なときにブログを読んでくれていた、トロント在住の方がトロントのクイアコミュニティのイベントに連れて行ってくださったこと。今まで見た中で一番に素晴らしいイベントだったし、あの体験ができただけで、トロントに来た意味があったと思う。


また、前の職場の上司が紹介してくれた女性は私をおいしい日本食のレストランに連れて行って、ご馳走してくれた。私のことなんて何も知らないのに、ここに来たことを祝ってくれた。私も、そういう人でありたいと思う。


そのあとは初めてスーパーで買いだめをして、一週間以上それだけを食べて生活する術を身につけた。今までだったら少なくとも2日に1回はスーパーに行って、その時その時で欲しいものを買ってた。


でも一度に買って前もって野菜を切って洗っておいたり、肉を分けて冷凍する術を覚えたおかげで食費の出費はぐっと減り、以前よりも栄養的なご飯が楽に作れるようになった。


これからまた新しいホームステイ先に移るから、キッチンが自由に使えなかったり、今みたいにシャワーが寒いとか、色々不便はあると思う。でもこうやって少しずつ進みながら、いつか自分だけの家に住める日が来るのだと信じたい。


とにかく今一番気をつけないといけないのは健康でいること。ちゃんと食べて、ちゃんと寝る。運動はあまりできてないけど、せめてこの二つは欠かさないようにしていきたい。


あとニュースばかり見てると本当に体調にも不具合が出て来たりするから、バランスも考えないといけない。日々不安でつい見ちゃうのだけど。


でも出発までもうすぐだから、今はパッキングに集中して頑張りたいと思う。

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